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Vol.188 2008/3/5 (毎週水曜日発行)
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┏ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
1. 時評 「防衛運転」
2. 話題を2題
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◎ 時評 「防衛運転」
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ずっと以前のことであるが、こんな話を聞いたのを思い出す。
刑務所には篤志面接委員の制度がある。篤志面接委員とは専門的知識や社会的経験の豊かな篤志家が、受刑者と面談して悩みなどを聞いてやり、専門的立場からアドバイスをして、受刑者の社会復帰を促進するために法務省から委嘱を受けた人である。
ある篤志面接委員が、交通事故を起こして交通刑務所に収容された受刑者に面接したときのこと、その受刑者がしきりにぼやいていたそうである。交通事故自体は単純なものであった。前の車を何台も一緒に追い抜こうとして無謀な追い越しをかけ、対向車と激突して相手を死に到らしめたものである。本人が全面的に悪いのは決まっている。
「先生、今度だけは失敗しました。運が悪かったのです。今までは同じように追い越しをしても事故なんか起きなかったのです。必ず相手がよけてくれました。今度は、おそらく相手が居眠りでもしてたのでしょう。いつものようによけてくれていたら事故なんか起きなかったのです。ついてなかったんです」
自衛隊のイージス艦が、漁船「清徳丸」に追突し、清徳丸の乗組員二名が行方不明となった痛ましい事故が起きた。事故の原因等については、現在海上保安本部で調査中であるが、漏れ伝えられるところによると、見張り隊員が衝突12分前に清徳丸の灯火を視認していたにもかかわらず、レーダー担当者等への伝達を怠ったのは、「相手が避けると思った」と供述しているとのことである。今まで事故が起きなかったのは、相手がイージス艦に恐れをなして避けてくれていたからなのだろうか。
陸であろうと海上であろうと、交通のルールを守らなければならないのは当然のことである。法を犯して事故を惹起させた者は、当然厳しく罰せられなければならない。
しかし、いかに厳しく犯人を罰したところで、事故で亡くなってしまった者は生き返らない。相手が悪いといくら責めてみても亡くなってしまったらどうしようもないのである。
残念ながら、我々の住む現実の社会は、理想的な安全社会ではない。安全な社会でなければならないという理想が昂じて、「安全な社会である」とみんなが勘違いしているのである。
従って、いつ襲ってくるか分からない危険から身を守り、生き延びるためには、法を守るという「安全運転」では足りない。相手も必ず法を守るとは思わないほうがよい。自分の身を守るためには、相手が違法、無謀な運転をしても、それを避けることができる「防衛運転」を心がける必要があるのではなかろうか。
現在の日本人は、何事に対してもあまりにも危機意識がなさ過ぎると思う。子供が夜遅くまで繁華街をうろつくのを放置したり、女の子がへそ出しルックやおしりの割れ目まで見せて劣情を挑発したりすればどうなるか、言わずもがなである。
災害から身を守るためには、我々は何事に対しても、もっと危機意識を持つ必要があるのではなかろうか。
行政書士 古 田 嘉 人
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◎ 話題
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<<団塊世代をターゲットにして金融機関があの手この手の新戦略
07年度から始まった団塊世代の大量退職。退職金総額は向こう3年間で50兆円とも推計される団塊世代退職市場。多くの銀行や生命保険、証券会社等はアイデア豊富な新商品、新サービスを開発して貯蓄勧誘とその運用の手助けに一人でも多くの団塊世代を取り込もうという作戦を展開している。
特徴的なのが会員制などによる情報提供サービスである。「ワンズ・ネクスト・クラブ・フィフティーズ」(三井住友銀行)の会員資格は取引残高500万円以上など所定の要件が必要だが、会員になると定期預金金利の優遇、資産運用の相談、旅行・趣味・健康等のセミナーにも参加できる。同じく会員制サービス「団塊倶楽部」(三菱UFJ証券)は、24時間・年中無休で電話による健康相談、資産運用アドバイスも受けられる。この他、情報誌発行、セミナー開催など利用者の生活全般に目を配っている。
団塊世代をターゲットにした新しい預金・保険商品の開発も盛んだ。住友信託銀行「季節のたより」は年金式定期預金で定期預金を少しずつ取り崩せる。カブドットコム証券の「シニア割引」は現物株式の売買手数料を割り引く。日本生命保険や朝日生命保険は健康・医療に焦点を当てたセットプランを発売している。
利用者は資産活用、病気への備え、娯楽・趣味など「第2の人生」をどう過ごすかのライフプランと個々のニーズで慎重な選択が望まれる。
<<実地調査中心の効率的所得税調査3割の件数で申告漏れの9割把握
近年の所得税調査の特徴は、高額・悪質と見込まれるものを優先して、深度ある調査を重点的・集中的に行い、一方で実地調査までには至らないものは電話や来署依頼による“簡易な接触”で済ます調査方針にある。
国税庁が公表した個人事業者に対する所得税調査状況によると、今年6月までの1年間の所得税調査は、前年度に比べ1.5%減の79万5千件が行われ、うち57万5千件から同2.3%増の9166億円の申告漏れ所得を見つけた。追徴税額は同8.7%増の1243億円だった。
実地調査における特別調査・一般調査は、前年度比16.7%増の6万3千件に対して行われ、うち5万5千件から同17.5%増の総額5337億円の申告漏れ所得を見つけ、995億円を追徴した。特別調査・一般調査は、件数では全体の7.9%に過ぎないが、申告漏れ所得金額全体の58.2%と6割近くを占めた。
また、実地調査に含まれる着眼調査(資料情報や事業実態の解明を通じて行う短期間の調査)は、調査件数全体の23.0%の18万3千件行われ、うち14万8千件から3281億円の申告漏れを見つけ、153億円を追徴した。一方、簡易な接触は、55万件行われ、うち37万2千件から548億円の申告漏れを見つけ95億円を追徴した。
このように、実地調査では、全体の約3割の調査件数で申告漏れ全体の9割強を把握しており、効率的な所得税調査が実施されている。
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