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発行:2005年7月
≪相談内容≫
当社では、就業規則、賃金規程を変更し、営業社員には残業手当を支払わず、一律のみなし残業手当として営業手当を支払うことを検討しています。注意点などありますか?
≪回 答≫
労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間を超える時間外労働や、午後10時から午前5時までの深夜労働と週1日の休日労働に対して割増賃金を支払うよう定められています。
最近では、御社のように現実の時間外労働の有無及び長短に係わらず、一定時間分の定額の割増賃金を支給し、この他には時間外労働等に対する割増賃金を支給しない、いわゆる「固定残業制度」を導入している企業も多いようです。
過去の判例等からも、実際に行われた時間外労働等に対して法の定める割増賃金額以上の額が支払われていればよいとする考え方が採られています。(関西ソニー販売事件 大阪地裁 S63.10.26、三好屋商店事件事件 東京地裁 S63.5.27)。
具体的には次のような取扱いになります。
(1) 実際に行われた残業が多く、割増賃金額が定額の残業手当を上回る月は、その上回った
部分について、定額の残業手当とは別に差額を支払わなければなりません。
(2) 実際に行われた残業が少なく、割増賃金額が定額の残業手当を下回る月であっても、
定額の残業手当は支払わなければなりません。
(3) (1)のケースで生じた差額は、(2)のような残業の少ない月の定額の残業手当で充当したもの
として、差額を支払わないとすることはできません。 例えば「営業手当は月間30時間分の時間外
相当分とする」とか「1日1時間分の時間外労働割増賃金を含めて1日1万円とする」といった
賃金の定め方がそれで、こういった決め方も割増賃金を支払っているものとして適法となります。
しかし、現実の時間外労働により発生する割増賃金が固定残業給を超えた場合に、固定残業給しか支給せず、それを超えた差額賃金を支給しないことは、違法になります。
その場合の時間外手当を算出する際、営業手当を割増賃金の基礎賃金に含めるかどうかですが、実質、みなし手当としての割増賃金であることが賃金規程等で明確になっていれば、これを算定基礎に入れてしまうと二重の割増になってしまうため、除外して算出すべきこととなります。
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