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発行:2005年12月
≪相談内容≫
勤務態度が著しく不良で、注意しても態度が改まりません。減給処分を考えていますが、3ヵ月間月給を10%カットしようかと考えています。法律上問題ないでしょうか?
≪回答≫
減給処分を行なう場合は、労働基準法第91条により上限が定められています。
「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」とされています。
ここでいう1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならないとは、1つの懲戒事案に対しては、減給の総額が平均賃金の1日分の半額以内でなければならないという意味であるとされています。
例えば平均賃金が1万円とすれば、1つの事案について減給できるのは5000円が限度となります。また、1賃金支払い期に複数の懲戒事案が発生し、その都度平均賃金の1日分の半額以内を減給する場合には、その合計額が1賃金支払期における賃金の10分の1以下でなければなりません。
例えば、1賃金支払い期に減給処分の対象となる行為を5回行い、それぞれについて5000円ずつを減給した結果、その合計額(2万5千円)が1賃金支払い期における賃金の10分の1を超える場合は、違法となります。
また3ヶ月間に渡って10%カットを検討されているようですが、懲戒処分を行なう場合、刑法の一般原則である「一事不再理の原則」が適用されるという考え方が通説となっています。「一事不再理の原則」とは、同一の法人に対して重ねて刑事上の責任を問うことができないというもので、懲戒処分についていえば、同一の懲戒事案に対して二重に懲戒処分を課すことはできないということになります。
公務員や会社の役員に不祥事があった場合に、「○ヵ月分減給処分」という話をよく聞きます。公務員については、国家公務員法、人事院規則等により定められ、労働基準法の適用を受ける「労働者」ではありません。また、法人役員についても、労基法の労働者に該当しない為、このような減給処分は可能なのです。
したがって、1つの事案に対して、平均賃金の半額以内の範囲内であっても、複数の賃金支払い期にわたって減給することは、二重処分に該当するためできないと考えられます。
まずは就業規則の制裁に基づき、減給処分、態度が改まなければ、再度忠告の上、もう一段進んで出勤停止と段階を踏んで対応されるのが良いでしょう。
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