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                                             発行:2006年3月

◆労働・社会保険 Q&A
〜休日出勤はどこまで強制することができますか?〜

 
≪相談≫
年度末の関係上、現在繁忙期であり、休日出勤をしてもらわないと仕事が追
いつかない状況です。ところが、いつも同じ人が何かと理由をつけて拒否し、
従業員の間でも不満が出ています。拒否を続ける場合、懲戒処分を行なうこ
とは可能ですか?休日出勤はどこまで強制できるのでしょうか?
≪回答≫ まず、36協定、就業規則を確認してみてください。
36協定とは、労働基準法第36条にもとづく協定のことで、時間外・休日
労働を行うために労働者の過半数代表者との書面による協定(36協定)を
し、これを所轄労働基準監督署に届け出た場合においては、労働時間に関す
る規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、
または休日に労働させることができることとなっています。したがって、ま
ず社内において36協定が締結され、労働基準監督署へ届出されていること
が大前提となります。
36協定の内容としては、時間外、休日労働させる具体的理由や業務の種類、
労働者の人数、労働させることができる休日の日数などについて定めなけれ
ばならないこととなっています。
しかし、36協定を締結したからと言って、当然に時間外、休日労働を命ず
ることができるわけではありません。36協定の効力は「その協定に定める
ところによって労働させても労働基準法に違反しないという免罰効果をもつ
ものであり、労働者の民事上の義務は、当該協定から直接生じるものではな
く、労働協約、就業規則等の根拠が必要である」(昭63.1.1基発第1号)
とされています。
つまり労働者が時間外、休日労働義務を負うかどうかは、基本的に個々の労
働契約や就業規則、労働協約の内容によって決まります。したがって、就業
規則等において、「業務の都合により所定労働時間外あるいは所定休日に労
働を命じることがある」等の記載があれば、業務命令として休日出勤を命ず
ることができ、従わない場合は業務命令違反として、懲戒処分を行なうこと
も可能です。過去の判例でも「36協定が締結されていて就業規則で残業さ
せることができると定めているときは、その就業規則の内容が合理的なもの
である限り労働者は残業の義務を負う」としています。
 (日立製作所武蔵工場事件 最高裁判決 平3.11.28)
しかし、懲戒処分を行なうことが可能とは言っても、時間外や休日出勤は本
来ならば労働者が私的に利用できる時間に業務を命ずるわけですから、個々
にいろいろ事情があると思われます。拒否の理由等を聞いた上で、懲戒の処
分を行なうかどうか、また処分の程度について検討する必要があるでしょう。
なお、余談ですが、休日労働に対しては、3割5分の割増賃金が必要となり
ます。この3割5分増しが必要となる休日労働とは、労働基準法35条で定
められている、毎週1回または4週4日与えなければならないとされている、
法定休日に労働させた場合をいいます。つまり、日曜日を休日としている会
社で、土曜日や祝日に出勤した場合でも、労働基準法上の休日労働とはなら
ないのです。1日が8時間労働、1週間の労働日が5日の勤務体系の場合を
例に挙げると、週2回の休日の内、その1日に出勤した場合は休日労働では
なく、時間外労働つまり、2割5分増しとなり、残りの休日1日に出勤した
場合が3割5分増しの休日労働になります。

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