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                                             発行:2006年10月

◆ 労働・社会保険 Q&A
〜営業成績が悪い社員を解雇したいのだが、かまわないでしょうか?〜

 
≪相談内容≫
当社は、営業社員に毎月一定のノルマを課しています。入社して3年になる従業員A
は、まだ一度もノルマを達成した事がなく、売上げに貢献するどころか営業部門の足
を引っ張っている状況です。本人は一生懸命努力しているようですが、なかなか結果
がついてきません。
そこで、就業規則の「著しく勤務成績が不良で、就業に適さない場合は解雇する」
旨の規定を根拠に、従業員Aを解雇しようと考えていますが、問題はないでしょうか?
なお、他の営業社員全員はノルマをクリアしています。
≪回答≫
最近は、成果主義や業績評価制度の導入などにより、結果を出せない社員のリスト
ラや解雇が増えています。特に成果がわかりやすい営業職では、
「営業成績が悪いから」という理由が多いようです。
 しかしながら、会社が解雇権を行使する場合、遅刻・欠勤が多い、上長の命令に従わ
ず業務に支障がある、仕事が遅く改善しようとする意欲も低いなど、単に成績が悪いと
いうだけではなく、幾つかの判断材料を勘案して解雇を行うのが一般的です。
判例では、
1)正規従業員の成績不良を理由とする解雇については、単に成績が不良というだけ
でなくそれが企業経営に支障を生ずるなどして企業から排斥すべき程度に達してい
ることを要する。
(エース損害保険事件 東京地裁決 平13.8.10)
2)解雇事由に該当するためには、平均的な水準に達していないというだけでは不十
分であり、著しく労働能率が劣り、しかも向上の見込みがないときでなければなら
ないというべきである。(中略)さらに、体系的な教育、指導を実施することによ
って、その労働能率の向上を図る余地もあるというべきである。
(セガ・エンタープライゼス事件(東京地裁決 平11.10.15)
「成績不振」の理由が、意欲の欠如や勤務態度の悪さが理由で、かつ、これを改善
するよう再三、指導および注意をしても期待が出来ず、この労働者を排除しなければ
企業秩序が維持できない場合は、「成績不振」を理由に解雇することも可能でしょう。
また、入社時より部長やマネージャーなど特定業務の遂行のために雇入れられ、その
目的を達成できなかった場合は、契約違反となり解雇も可能です。
いずれにしても、成績が悪いという理由ですぐに解雇通告を行うのではなく、社員
教育を行ったり、出向・配置転換等を行い、本人の能力を発揮できるような環境を構
築することが必要なのではないのでしょうか?

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