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発行:2007年4月
◆労働・社会保険 Q&A
〜特別条項があれば毎月36協定で定める限度時間を超えて残業させることができますか?〜
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≪相談内容≫
先日、取引先の会社が労働基準監督署から36協定で定める時間外労働を超えて労働さ
せたということで指導を受けました。当社もここ1年で人員を切り詰めたことなどもあ
って、限度時間を超える残業を従業員に強いている状況が毎月続いています。ただし
当社の36協定は月80時間までは限度時間(月45時間)を超えても大丈夫なように『特
別条項』を盛り込んだものを作成、届出していますが、本当に問題がないのかどうか教
えて下さい。
≪回答≫
労働基準法では、時間外労働について告示により、協定による延長時間の限度が定め
られています(1ヵ月45時間、1年間360時間など)。しかし、貴社のように、その限
度時間を超えて延長する必要が生じるケースに対処するため、「特別条項(限度時間を
さらにオーバーして労働し得る条項)付きの協定」が認めら
れています。 36協定(または特別条項付き36協定)で定めた限度時間を超えて労
働させた場合は、
労働基準法第32条(労働時間)違反となり、同法第119条(罰則)により
「6ヵ月以下 の懲役または30万円以下の罰金」が課せられます。しかし、平成15年改
正以前の特別延長時間については制限がなく、「エスケイプ条項」などと呼ばれていた
時期もありました。平成15年の改正で、特別延長については「特別な事情」が生じたと
きに限り認められるものとされました。特別な事情とは「臨時的なもの」に限られ、単
に「業務の都合上必要なとき」や「使用者が必要と認めるとき」などの定めは長時間労
働の常態化を招くものとして、認められません。
また、「臨時的なもの」は、「1年のうちの半分を超えないこと(3ヵ月単位なら2回
以内、1ヵ月単位なら6回以内、など)が見込まれるもの」とされ、運用面が厳格化され
ました。
貴社の場合、特別条項付きの36協定とのことですが、その適用が不適切であれば、
労働基準監督署の調査があった場合、改善を指導されることもあります。
下記の事例をあげて具体的に検証してみます。
【協定事例】
・36協定(カッコ内は特別条項付きの場合)で、月45時間(80時間)、年360時間
(900時間)
・突発的な納期集中に備え、1ヵ月単位で協定しているため延長回数は年6回(6ヵ月
間)
この場合、45時間以内の月を年6回、45時間を超える月は年6回が限度となります。
また、この回数は事業所単位だけではなく、個人単位でも部署単位でも可です。例え
ば、社員A(またはA部署)には1月から6月までフルに適用したけれども、これで6回
を使い切ったというわけではなく、まだ適用していない社員B(またはB部署)には
7月から12月に適用して、働いてもらうことが可能です。
このように個々の従業員(または部署毎)の時間管理をすることは、実際に特別条項
を運用するうえで大変煩雑です。しかし、適正な管理体制の下で適正な時間管理がさ
れていなければ、回数制限を超えた残業、特定の個人(または部署)に偏った残業など
が生じることとなり、「指導」や「是正勧告」の対象となり得ます。
最悪の場合、過労死が発生したり、過労による傷病の発生に伴う損害賠償請求をされ
たりというリスクも考えられます。一度、現在の特別条項の規定と実態との間に問題
がないか見直された方がよろしいかと思います。
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